口笛はなぜ~?
ここの人達って、
誰かを呼んだり、注意を向けるために口笛を吹く…のではなく、
歯の間から息を押し出すように「シィっ」、とか
口をすぼめて唇を吸いこむように「チューッ」
ってやるのだが、なんというか、日本だと絶対失礼にあたる行為じゃん。
だから最初はすっごく不愉快で、
これやられたら、意地でも振り向いてやるもんかって。
だけど、ときたま反応してしまうのだ。
だってしつこいんだもの。振り向くまで延々とやられるのだ。
そして、これがまたよく聞こえるのだ。
けっこう離れた場所でも、「シィっ」「チューッ」ってはっきりと。
活動先では、周りは一緒に活動する仲間ばかりだから、
「シィっ」って聞こえたら振り向くようにしている。
無視し続けるのはやはり感じが悪すぎるし、
彼らにとってそうやって人を呼ぶことは行儀の悪いことでもなんでもなく、普通のことだから。
ただ未だにこれで呼ばれるのはいい気持ちがしなくて、
街や道を歩いているときは無視してしまうことが多い。
日本人が歩いてるのが珍しいってだけで気を引こうとしてくる輩もいるので、
余計に反応したくないのである。
そんな自分を、ちっちゃいなー、とも思うけど、どうも慣れないのだ。
さて、昨日のこと。
活動が終わっていつも通り徒歩で帰宅中、
その日はやたらとあの音がする。
「シィっ」「シィィーっ」
「チューッ」「チュチュッチューッ」
なんなのだ。
ちょっとイライラしてしまった私は意地になった。
絶対振り向かん。
それでも呼ばれる。
今日は妙にしつこいぞ。
ようやく自宅に帰り着く。
シーシーチューチューがうるさくて、
いつもより早足で歩いたせいか、足がパンパンだ。
どさっと重たいリュックを置いて、一息ついたときにその理由に気付く。
チャックが全開だった。
モノを落とさなかったのが不思議なくらいぱっくりと。
あぁ、だからか。と納得したのと同時に、
チャック全開のリュックを背負って、しかめっ面で歩き続ける自分の姿を想像し、
ものすごく恥ずかしくなった。
きっと私に呼びかけた人々も怪訝に思ったに違いない。
もう少し愛想よくしないとなーと苦笑い。
いやでも、「開いてるよー!」って言ってよ、そこは一言。
あぁ、恥ずかしい。
そうそう、先日仕込んでおいたバナナの猿酒を味見してみた。
ちょっと酸っぱいかな。でも、安いワインの味ってこんな感じだった気も…
一応、アルコール感はある。
酸味の強いその飲み物は、
その日の憂さは晴らしてくれませんでしたとさ。