なんでもない日

だけど、突然ブログ開設。

 

とある南国に住んでいます。

日本より少し不便な、だけど朗らかな空気漂うこの土地で

シンプルに暮らし始めて1年と少しが経ちました。

中途半端で今更だけど、もう一度日記を付けてみることにする。

思い立ったが吉日ってね。大したことじゃないけれど。

 

記念すべき1ページを書く今日はあいにくの雨。

仕方ない、季節は雨季に突入したのだから。

この国の季節は2つ。雨季(夏)と乾季(冬)

南半球なので季節は逆。

一応、夏場と冬場で多少の気温差あり。

 

この国はいわゆる発展途上国であるけども、

モノはわりと揃ってる。ハイテクなものは高価だけどね。

だから中進国という人もいる。

中進国なんて言葉なないけれど、意味はまあ伝わる。

 

水のシャワーで、

スーパーで骨なしのきれいな精製肉は売ってなくて、

市場にごつごつ不揃いな野菜が並んでいて、

羽根や糞がこびりついたままの卵はときどき腐ってて、

電気水道が頻繁に止まって…

なんて点は途上国を感じさせる。

 

だけど、

 

それなりにインターネットが普及していて、

スマホも売ってて、

ジムや映画館もあって、

お金出して機械を取り付ければお湯のシャワーだって浴びられる…

ことを考えると、その気になれば日本と変わらない生活を送ることも可能だ。

実際、一部の裕福な人々はかなりいい暮らしをしている。

 

何をもって発展途上国と位置づけるのか。

 

貧富の差が激しいとか、

学校に行けない子どもが多いとか、

危険な病が流行しやすいとか、

乳幼児の死亡率が高いとか、

きれいな水が飲めないとか、

道路が舗装されていないとか、

電気が供給されていないとか…

 

一般に、発展途上国という言葉からイメージされる特徴はこんなところか。

私は発展途上国のタイプにはいくつかあると考えているが、

上記はいかにもな感じだろう。

対して、この国は別のタイプだと思う。

中進国と表現されるタイプだ。

特徴は、

 

比較的モノはあるが質は低い。

施設等にある機械類はよく壊れている。

道路は舗装されているが穴だらけ。

輸入品があふれている。

肥満や糖尿病等の生活習慣病による健康問題が多い。

環境問題が大きい。

経済状態が悪い。

都市と地方の差が激しい。

 

と言ったところか。

いかにもな発展途上国の一面もあり、先進国が抱える問題ともかぶる。

発展しているというのはどういう状態なのか、正直よくわからない。

 

先進国は発展途上国の経済を向上させるために、

皆が満足な生活を送れるようにするために支援をしている。

が、結局のところ、

発展途上国という言葉は先進国が作り出したものに過ぎないのだろう。

 

だってこの国の人々は幸せそうなのだ

 

私はこの国を支援するという立場でここにいる。

国際ボランティアだ。

正直言うと、なんとも微妙な日々を過ごしている。

よく思う。

私は役に立てるのか?必要とされているのか?

若く経験の浅い私の能力では及ばないことが多々あることは自覚している。

ゆえに自分の無力さや不甲斐なさに落ち込むこともしばしばだ。

それもあって、次のようなことを考えることは避けてきた。

 

この国は発展したいのか?人々にその気はあるのか?

 

なぜならば…

この国の人々は幸せそうなのだ。

 

暖かい気候だから食べ物には困らない。

自分達で開発しなくても便利なモノは外から入ってくる。

仕事が見つからなくたって親戚の誰かが面倒をみてくれる。

お金だってお金持ちの外国が支援してくれる。

 

この国が発展しなければならない理由は、

そんなお気楽な生活はいつまでも続けられないからだ。

 

砂糖たっぷりの菓子に塩分過多の料理、

スナックやインスタント食品による手軽だけど偏った食事は健康にどう影響するのか?

それらのゴミや産業廃棄物を放置するとどうなる?

便利だけど毒にもなりうる農薬の適切な用法容量は?

 

いったい外から入ってくるどれだけの技術にその正しい知識が伴っているのか。

今はよくても、それを支える環境はどんどん壊れていっている。

自然が破壊されれば食べ物だって容易には手に入らなくなるだろう。

外国からの支援なんていつ途絶えるか。

 

そして悔しいことに、

未来に何が起こるかを気付かせること、意識させることって、

最高に難しい

今が便利で楽しいのに、どうして先のことを憂えなければならないのだ?

 

考えさせられる日々である。

考えるほどにテーマが壮大になる。自分が無力になる。

そして…

この壮大なテーマと自分にできることは切り離すことにした。

実はこれがけっこうできなかったのだ。

 

彼らが別に発展を望んでなくて、

そんな状況を打破する力がなくても、

異国にぽつんと日本人がいることで、

そこにだけちょっとだけ特別な空気が流れればいい。

そしていつの日か、お気楽でいられなくなったとき、

その日本人がもごもごやってた些細な言葉や行動の意味を思い出してくれればいい。

 

なんて思いながら、相変わらず自分の立場に虚しさを覚えない日はない。

それでいいのだ。

ここへ来たことに後悔はない。

 

ああ。

あっさりくだらないネタでも書きたかったのに、

なんやわけわからんことになってしまったな。

うん、今日はもう帰ろ。